時々、「ROCKSTEADY HOMEPAGE」のアイテム説明ページで聞き慣れない言葉が出てくることがありますので、こちらで解説しておきます。
ジャケット・ディテール編
■ ベント(ベンツ)
ジャケットの裾に入る切れ目のこと。
後ろから見た時に重要なディテールとなる。発祥はイギリスで、馬に乗りやすいように裾を割ったのが始まりとされている。
種類は真ん中に一本のセンターベント、両脇2本のサイドベンツとベンツなしのノーベント、鍵型に切り替えしたフックベントなどもある。
シングルフロントのジャケットは全種類対応するが、ダブルフロントのジャケットはサイドベンツかノーベントが普通。
■ ラペル
ジャケットの下衿の尖った部分で、ピークドラペルは読んで字の如く衿の先が尖って上向きになっている衿型のこと。
ノッチラペルは切れ目の下がった衿でゴージラインの延長上に衿の端が伸びる衿型。
キザミの形状や衿先の角度でセミノッチやフィッシュマウス、セミピークなどと呼ばれるバリエーションもある。
■ AMFステッチ
ハンドステッチミシンで刺したステッチ。
地布より太い糸や違った色で使われ、衿や裾などの飾り縫いに応用されている。
AMFはアメリカン・マシン・ファウンドリー社の略。
同社はミシンのほか、ボウリングの機器なども製造しているのでボウリング場でAMFの3文字を目にするかもしれない。
■ ゴージライン
カラー(上衿)とラペル(下衿)の縫い目の線の事。
ついでにゴージラインの外側延長線の三角形の凹み部分はキザミという。
■ お台場
ジャケットの内ポケットのところまで生地を台場状に伸ばす裏地仕上げのこと。
お台場仕立てだと、内ポケットに物を入れても前身頃の形状が安定ているため、型崩れしにくい。
前身頃の形状を安定させる方法として内ポケットに玉縁やフラップポケットなどを付ける場合もあるが、切断されていない台場部分の生地が余分にいることや縫製の手間がかかるため、お台場仕立ての方が凝っているといえる。
■ 本切羽
ジャケットの袖の部分の開きの部分。
ジャケットの場合は袖を開く必要がほとんどないので、退化しつつあるディテールではあるが、こだわりや作りの細やかさを考えると見逃せないディテール。
さらに額縁仕上げ(袖の開きの内側を斜めに縫い合わせる仕上げ)だと言う事なし。
ちなみに礼服にはたいていの場合、切羽はなく釦だけ付いているのが普通。(切れない、離れないという縁起担ぎ?)
また、袖のボタンを1つ2つ外してイタリアン遊び人風もちょっと粋かも。
読み方は「ほんせっぱ」(漢字に弱い人の為に)
■ 総裏・半裏・背抜き仕立て
総裏仕立てはジャケットの裏の全面に裏地がついている仕立て。
背裏地の部分が上1/3ぐらいのものが背抜仕立てで、
半裏は、背抜き+前身の裏地半分ぐらいをカットした裏地のもので軽量で夏向きのジャケット。
■ アンコン(アンコンストラクテッド)
ジャケットなどに普通つけられている肩パットや芯裏地などをはずし、ソフトでカジュアルに仕立てた服のこと。
語意は「非構築的な、非構成的な」という意味。
■ 毛芯仕立て
ジャケットの前身頃に芯地が入っている仕立てで、毛芯を入れることで、ジャケット全体の型崩れを防ぐとともに立体的な美しいシルエットを実現できる。
縫製を簡素化した接着芯仕立は、機械を使い熱によって芯地と表地とを糊で接着して固定する製法。
毛芯仕立ては芯地と表地を丁寧に糸でとめていく製法でより手間がかかる。
前身頃は表地・毛芯・裏地の3層構造になり、ふっくらと立体感のある風合いになるため、着心地とシルエット感に優れた仕上がりになる。
■ 雨蓋
ポケットに付いたフタの部分。フラップとも言う。
ドレスアップウエアの雨蓋は、ほぼデザインとしてのディテールになるので、雨を防ぐ機能性はあまり期待しないほうがいい。
■ 玉縁ポケット
縁取りをしたポケット。パイピングポケットのこと。
■ エポーレット(ポレット)
肩章のこと。トレンチコートやジャケットの肩を飾るタブで、軍服のデザインとして使われてきた。
エポーレットが付くだけでぐっとミリタリー風のデザインになる。
■ ブランデンブルグ
ジャケットのフロントを肋骨状に飾るひも飾りのこと。ミリタリージャケットにあるディテールの一つ。
「SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のアルバムジャケットでTHE BEATLESが着ている服のアレ。
■ クラシコ
イタリア語では「最高水準の」「高雅な」などの意味で、ハンドメイドの風格や技術、伝統に忠実な製法にこだわり、非常に完成度の高いキメ細かいクラシックエレガンスを象徴する言葉。
本来は、イタリアのハイクオリティなメンズファッションを製造・販売する約20社のグループのこと。
■ トラッド
正確にはトラディショナル・トラッドと言い、伝統的で正統派のスタイル。
アメリカン・トラッドはニューヨークやボストンなどの東海岸で見られるような動きやすく機能的な雰囲気のファッション。
一方、ブリティッシュ・トラッドはたっぷりとしたシルエットでエレガントな雰囲気。
タータンチェックなどを用いたオーソドックスで伝統的なファッション。
トラッドという場合、ほとんどの場合アメリカン・トラッド。
どちらもさほど流行にされず、受け継がれてきたオーソドックスなファッションといえる。
素材編
■ サージ
緯糸に対し45度の角度で斜文線のついた綾織物。
耐久性に優れ、ジャケットやミリタリーウエアなど、最も広範囲に使われている。
ジーンズ生地の原点もサージ織とされている。
■ 縮絨(しゅくじゅう)
一般的にはフランネル、メルトンなど紡毛織物の重要な整理工程のひとつ。
生地に洗いをかけ、縮絨剤に浸し、叩いたり絞ったりして縮ませ織目を詰め、張りがあり、密な風合いの生地にする加工。
フェルトも縮絨加工の代表的なもののひとつ。
■ 中空糸
繊維の中心部分が中空になった糸。
製糸段階で中空化した合繊が一般的。軽く保温性があるのが特徴。
素材の軽さゆえ衣料品以外でもバッグなどにも使われる。
■ カシミア
名前の由来はインド北部の地名で、カシミアヤギの毛を紡いで作った繊維。
一年のうち秋から冬にかけて生える産毛の中で細い柔毛のみが原毛となる。(…ので高価)
■ アンゴラ
名前の由来はトルコのアンカラにちなんだもの。
本来アンゴラはアンゴラヤギを指し、毛は滑らかで白く光沢感が美しい。
アンゴラヤギの毛が「モヘア」となる。
一般的に流通している「アンゴラ」と呼ばれるものはアンゴラウサギのものが多い。
カシミアヤギとアンゴラヤギの交配種のカシゴラという種類がいるらしいが、個人的には未確認。
ガメラとゴジラの交配種なら…と考えるのはやめておく。
■ ネップ
糸に付いた繊維の塊のこと。
イレギュラーな繊維とされるが、生地に素材感を出すために意図的にネップを作る場合もある。
■ ボイル
英語・仏語で、薄地で粗い織物の総称。さらりとした肌触りで、軽くて透けて見える。
ちなみに、フランス語の「voile」は、「ヴェール、覆い」の意味もある。
■ モダール
改質レーヨンの一種のセルロース繊維。優れた吸水性と吸湿性、さらっとした肌触りが特徴。
いわゆるババシャツの素材がこれ。
加工編
■ シーム
いわずもがなだが、あえていえば生地を縫い合わせた縫い目のこと。
■ ジッパー(ファスナー)
歯型の2本のレールをスライダーで噛み合わせ留めるもの。
riri,exela,TALON,SCOVIL,YKKなど各社多種多様なジッパーがあるが、それぞれ強度や歯型の形状などに特徴がある。
製品のイメージや使用用途にあった使い方がなされているので、ririさえついてりゃ良いものだという見方は偏見かも。(廉価なイメージのYKKジッパーが以外にもダメージに強くてタフ。これは日本の誇るべき技術?)
ちなみにチャックという呼び方はもともと商品名で和製英語。ジッパーももともとは商品名。
一説ではジ…ッと締めることからジッパーと名付けられたとか。
ファスナーが本来の呼び方。
■ 硫化染め
有機化合物に硫黄、硫化ソーダなどを溶かした硫化染料で後染めする手法。
染まりが良く色落ちも少ないが、くすんだ発色感が特徴。
染色段階で化学変化が起りやすいため、化繊などの植物繊維以外には不向きな染色法。
■ ピグメント染め
液体顔料で染め、脱色効果のある薬品で洗いをかけたもの。ユーズド風の風合いに仕上がる。
今日は文字ばかりだし、順序がランダムでちょっと見にくかった(醜かった)かもしれませんが、ちょっとしたウンチクを交えて解説してみました。
ちょっとした知識があれば、見落としがちなディテールへのこだわりや作り手の細やかさが分かり、よりファッションが楽しくなると思いますよ。
また、用語もぼちぼち追加していきたいと思います。
P.S.
candypop系列さん、ほんっとに紛らわしいんで、フィッシング系のスパムは勘弁してくださいね。
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